自生地の環境
以前、旭川在住の前、北海道山草趣味の会会長の村田氏に自生地を案内して頂いたことがありました。そのときに教えて頂いたホテイアツモリソウの自生している場所(環境)は、非常にこだわった場所であり、村田氏の解説によると次のように狭い地域に自生しているとのことでした。
1、隣同士の沢でもこちらの沢には自生しているけど隣の沢には自生していないこともあ る。
2、同じ沢でも右側には自生していても左側には自生していないこともある。
3、沢の底から一定の高さから一定の高さまでは自生しているが、上の方でも下の方でも 自生していない。
4、沢の奥が曲がっていたりして光の環境が変わると自生していたり、していなかったり する。
5、周りの木が生長して生い茂っていくと暗くなりアツモリソウがだんだん消えていく。
以上のことをまとめてみると、光の量が生育にかなり影響あるようで、沢の左右での光のあたり方の違いでもホテイアツモリソウは生育で出来るか出来ないかの重大なことであり、また水分の含有量の適用範囲も狭く、過湿でも乾燥してても生育できないようです。
村田氏から教えて頂いたことはアツモリソウ類を栽培する上で非常に参考になり自生地の条件に基づいて栽培方法を考えています。また自生地で感じたのは非常に湿度があり植生がみずみずしく柔らかく感じました。ほかのラン同様アツモリソウの根も太く毛根がほとんどないので、葉からの水分の蒸散は苦手なようで空中湿度は大事なようです。また各自生地(礼文、崕山、神居コタン)で土壌の成分割合が共通しているのがペーハーが高く(6.0~7.2)カルシウムが多いことです。このことはアツモリソウがカルシウムが好きなのか、ほかの植物が生育しずらいけどアツモリソウは感じないのか、意見が分かれるところです。
上記のことをふまえて環境作りをするとビニールハウスを設置するのが一番良いと思っています。またビニールハウスでなくても湿度を保って雨よけが出来て採光が取れればよいので透明なプラスチック、ガラスサッシなどを利用してもよいでしょう。